星空を映す神秘の石 忘れ去られた山里の硯石 紫雲ただよう幻想の石 豊穣を願う雨乞いの石 真田氏が愛でた古の石 ( 2005年3月- ) ( 2005年3月- ) ( 2005年3月- ) ( 2001年3月- ) ( 江戸後期 ) じ ゃ く ま く 寂寞硯のこと ....... 和硯ふたたび
足掛け三十年有余が経ちました。きっかけは砥石探しです。 『日本山海名産図会』(寛政十一年・1799年)に、「諺に砥は王城五里を離れず。 帝都に髄ひて産すと云ふも空ごとにもあらずかし。・・・」とあるのを知り、 京都の『鳴滝砥』張りの砥石を探そうと思い立ったのが最初でした。 江戸時代、藩主は領内で採掘した石(”お止め石”として一般の採掘は禁止された)で硯を製し、 世襲・相続のつど将軍家に献納することを習わしとした、と伝えられています。 当地にも、かつて松代藩(真田家)が擁した名硯 『村雨』 がありました。 枯渇して久しいその硯石は、青黒色の石中に黒色の斑が満遍なく入っており、 まさにその名の通りの風情がありました。 その村雨石と同じ地層より、新たに出土したこれらの硯石もまた雲・雨・星・霞・・・などの 石紋を有する、たいへん景色の美しい石です。 砥石探しの果てに見つけた硯石ですが、硯石は砥石にならず、砥石もまた硯石にならず、 石にもそれぞれ天命があることを知りました。 私は今、渓水に流れ出てきた石を拾い、天然形で作硯していますが、それらは水に揉まれて 脆弱部が取れ、これ以上割れないという最良の状態になったものです。 手彫りのため、作業は遅々として進みませんが、時々こちらを覗いて、和硯の魅力を楽しんで 頂けたら幸いです。 2005年・春 石の独り言 お問い合わせ info @jakumaku.com 寂寞渓谷 ・春 寂寞渓谷 ・夏 寂寞渓谷 ・秋 寂寞渓谷 ・冬 |